
税率と控除、実効税率の考え方
累進税率は0〜35%で、15万バーツまで非課税、500万バーツ超は35%です。基礎控除6万、配偶者6万、子女3万〜、扶養親族3万/人、RMF・SSF・生命保険料などの投資関連控除があります。
給与所得は50%(上限10万バーツ)を必要経費として控除できます。控除を適切に使うと、実効税率は名目より3〜6ポイント下がることが一般的です。
居住者判定と国外所得の送金課税
180日は通算で判定し、連続である必要はありません。パスポートの出入国スタンプ、航空券記録、入管記録の提出を求められることがあります。居住者になるとタイ源泉所得は全額課税、国外所得は送金時に課税されます。
実務対応は、元本と所得の区分、送金原資の年度と性質の証拠保全、居住者になる前の大口送金の検討です。送金後に説明しても通りません。
租税条約と外国税額控除
日タイ租税条約を含む60以上の条約があります。給与所得は、滞在183日以内・報酬がタイ非居住雇用者から支払われ・タイの恒久的施設が負担していない、の三要件を満たす場合にタイで免税となります(183日ルール)。
国外で納付済みの税は控除可能ですが、納税証明と必要に応じて居住者証明が要ります。控除額は当該所得に対応するタイの税額が上限です。
申告期限・出国税務・社会保険
PND90/91は翌年3月31日まで(電子申告は4月上旬まで)。毎月の源泉徴収(PND1)との差額を年次で精算します。
課税所得がある外国人は出国時に納税証明(Tax Clearance Certificate)が必要になる場合があります。社会保険は外国人従業員も強制加入で、退職後は老齢給付の一時金請求が期限内に可能です。
よくあるご質問
- 給与が日本払いでもタイで申告が必要ですか。
- 役務提供地で判断します。タイ国内での勤務に対する報酬はタイ源泉所得となり、支払地や支払者を問わず原則として申告が必要です。最も多い誤解です。
- 海外預金をタイに送金して住宅を購入すると課税されますか。
- 資金の性質によります。元本や課税済み資本は所得ではありません。国外で生じた利息・配当・賃料・譲渡益で、送金年に居住者であれば申告対象です。原資を示す書類の保管が重要です。
- リタイアメントビザでも申告義務がありますか。
- 180日以上滞在すれば居住者です。国外年金を送金しない限りタイでの納税義務は生じませんが、送金した所得部分は新ルールでの検討が必要です。送金明細と原資証明を年ごとに残してください。