
対象法人と提出時期
基準は年間収入2億バーツです。該当する場合、関連者一覧と取引区分別金額を記載したディスクロージャーフォームを、PND50と同時(期末から150日以内)に提出します。
ローカルファイルは請求ベースですが、実務上は申告前に整備しておくべきです。照会を受けてから60日でベンチマークまで仕上げるのは現実的ではありません。
五つの算定方法と実務での選択
CUP、再販売価格基準法、原価基準法、取引単位営業利益法(TNMM)、利益分割法が認められます。製造・販売機能では、営業利益率を指標とするTNMMが大半です。
争点になりやすいのは比較対象の範囲です。当局はタイ国内の比較対象を好むため、アジア太平洋のセットを使う場合は、国内比較対象が不足する理由と検索プロセスの文書化が必要です。
指摘を受けやすい四類型
本社経営指導料・役務提供対価(役務の実在、受益、配賦基準の合理性)、ロイヤルティ(登録された無形資産と料率の妥当性)、無利息のグループ間貸付(利息が認定されます)、そして継続赤字の販売子会社です。
継続赤字の法人では、機能・リスク分析(FAR)で限定的リスクの販売会社であることを示し、期末調整で目標利益率に合わせる運用が有効です。
税務調査対応とAPA
照会を受けたら、まず対象年度と範囲を確定し、体系立てて一括回答します。断片的な回答は調査範囲の拡大を招きます。事前に社内で想定問答を行い、弱点を先に補強します。
取引金額が大きく事業モデルが安定しているグループでは、二国間APAにより将来3〜5年の算定方法を固定する選択肢があります。取得までに2〜3年を要しますが、遡及リスクを解消できます。
よくあるご質問
- 収入が2億バーツ未満なら対応不要ですか。
- フォーム提出義務はありませんが、歳入法71条の2の独立企業間原則は適用されます。通常の税務調査でグループ間価格が是正される可能性は残ります。
- グローバルのマスターファイルがあれば足りますか。
- 足りません。タイのローカルファイルには、タイ法人の機能リスク分析、現地の比較対象分析、実績財務データが必要です。
- グループ間の無利息貸付は認められますか。
- 当局が市場金利で利息収入を認定し課税し得ます。事業上の理由がある場合でも、書面契約と資金使途の説明を整え、資本注入への変更も含めて検討します。