
適用基準:NPAEsとPAEsの違い
非公開会社はTFRS for NPAEsを適用し、キャッシュ・フロー計算書や網羅的な公正価値測定は求められません。公開会社や国際的な比較可能性が必要な子会社はフルTFRS(IFRS準拠)を適用します。
どちらを選ぶかで、減価償却、リース、退職給付引当(数理計算が必要)、外貨換算の処理が変わります。本社がIFRSで連結する場合は、毎期の二重調整を避けるためフルTFRSを推奨します。
スケジュールと事前準備
12月決算の場合、1〜2月に締めと確認状、3月に監査報告、4月末までに株主総会、5月末までにDBD提出、PND50は5月29日まで。どこか一つが遅れると連鎖します。
準備物は銀行残高証明と確認状回答、棚卸表、固定資産台帳、債権債務明細、関連当事者取引一覧、重要契約、係属訴訟の説明です。確認状の回収が最も遅れやすく、1月上旬の発送を推奨します。
監査で頻出する五つの調整
契約も利息もない関連当事者間貸借(税務上は利息が認定されます)、長期滞留の株主貸付金、証憑のない支出の否認、棚卸資産の評価減未計上、労働法に基づく退職金債務の未計上です。
いずれも税務に直結します。監査前にプレレビューを行い、期中に修正できるものを先に処理して、限定付意見を回避します。限定付意見は銀行与信とBOI審査に直接響きます。
提出・公開と、遅延時の是正
DBDに提出した財務諸表は公開され、取引先も競合も閲覧できます。期限を過ぎている場合でも提出は必要で、遅延期間に応じた罰金は取締役個人にも及び得ます。
複数年未提出の場合は古い年度から順に提出し、同時に税務署とも補正申告を調整して、提出をきっかけとした一斉調査を避けます。
よくあるご質問
- 休眠会社でも監査は必要ですか。
- 必要です。売上ゼロでも財務諸表の作成、CPA監査、DBDと税務署への提出義務があります。費用は低廉ですが免除はされません。
- 日本の監査法人に監査してもらえますか。
- できません。法定監査はタイ登録のCPAの署名が必要です。グループ監査用のレポーティングパッケージは別途対応可能です。
- 限定付意見が付くとどうなりますか。
- 銀行やBOIから説明を求められ、税務当局の関心も高まります。原因の多くは証憑不足と関連当事者取引の確認不能で、期中の書類整備で回避できます。