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通関・貿易 · 日本語対応

税関の事後調査は輸入から数年後に来ますが、証拠が作られるのは通関した日です

タイ税関の事後調査(Post Clearance Audit)は過去に遡ります。申告価格が低い、分類が誤っていると判断されれば、追徴税に加えて罰金と延滞金が課され、当初税額の数倍になることも珍しくありません。争点はほぼ三つです。取引価格が受け入れられるか、HS分類が正しいか、原産地証明が特恵税率を支えられるか。答えは当時の契約書、送金記録、仕入先資料の中にあります。

貿易コンプライアンス担当の弁護士と物流責任者が倉庫事務所で通関書類と原産地証明を確認している様子
申告書・契約書・送金記録の三点が一致していることが、調査での最強の反論です。

課税価格:関連者間取引が最も精査されます

タイはWTO評価協定に基づき、取引価格を第一の方法とします。関連者間取引が当然に否認されるわけではありませんが、関係が価格に影響していないことの説明が必要です。独立当事者間の同時期価格、移転価格文書、グループ方針との整合性の説明が典型的な立証手段です。

課税価格に加算されやすい項目は、ロイヤルティ、買手支給の金型や材料(アシスト)、到着までの運賃保険料、事後のリベート調整です。期末に価格調整を行う運用があるなら、その仕組みは調査時ではなく通関時に説明しておくべきです。

HS分類:番号ひとつの差が年間利益を消します

分類はHS品目表の通則と注釈に従い、タイはAHTNの8桁を用います。部品と完成品、セット品と分解輸送、複合機能製品が争点になりやすい類型です。善意の誤分類でも追徴義務は生じるため、新製品の導入前に事前教示(アドバンス・ルーリング)を取得するのが最も安価な対応です。

事前教示には拘束力があり、一定期間援用できます。長期・大量輸入の案件では特に有効です。申請時には技術仕様書、サンプル写真、機能説明を揃えます。税関が見るのは商流上の呼称ではなく、製品の客観的特性だからです。

原産地とFTA:特恵の対価は遡及的な立証責任です

日タイEPA、AJCEP、RCEPなどの特恵税率を用いるには、原産地規則を満たし有効な原産地証明を提出する必要があります。発給後の形式不備、バックトゥバック証明の接続、積替え時の直送要件の証明が、特恵否認の典型的理由です。

否認された場合、支払うのは差額ではなく全額の関税と罰金です。したがって輸入者は証明書だけでなく、供給者の原産地申告や製造工程資料も保管すべきです。検証手続は輸出国の製造者まで遡り、対応期間が数か月に及ぶこともあります。

調査・差押え・不服申立て:期限が戦略を決めます

調査通知を受けたら、資料提出と並行して直ちに社内レビューを行い、自主的に訂正すべき申告がないかを確認します。タイ関税法上、自主開示は摘発後の対応より有利に扱われ、罰則の幅に明確な差があります。

貨物が差し押さえられた場合は、担保を提供して先行解放を申請し、保管料と滞留コストの累積を止めます。処分に不服があれば税関内部の不服申立てと和解手続を経て、税務裁判所へ提訴します。各段階に厳格な期限があり、一つ落とすとその審級を失います。

よくあるご質問

本社から原価でインボイスを出していますが問題になりますか。
直ちに否認されるわけではありませんが、価格決定方法を説明できる必要があります。税関の関心は関係が価格に影響したかどうかで、移転価格文書とグループ方針が主要な証拠です。税務上の取扱いと申告価格が乖離していると必ず追及されます。
自主的に申告を訂正すると、かえって罰せられませんか。
自主開示は通常、罰則を大きく軽減し、故意の脱税と認定されるリスクを避けられます。実務では社内レビューと金額の試算を終えてから正式な手続で申し出るべきで、調査の現場で口頭で認めるのは避けてください。
保税倉庫や自由区の貨物も調査対象ですか。
対象です。重点は帳簿在庫と実在庫の一致、入出庫記録、最終仕向けの証明です。帳簿と実物が合わない場合、関税領域に引き取られたものとみなされ、全額の税負担が生じ得ます。

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